ホテルグランビア京都

JTBという旅行業者がある。正式には株式会社。かつては交通公社と呼ばれ、準国営企業だった。この公社の出発は国策によった。南満州鉄道鉄道省、帝国ホテルといった国有組織が出資して作っている。目的は新大陸への日本国民の移動のため。もう少し正確に言えば侵略の補助のため、ということだろう。直営のホテルが「ミヤコホテル」である。半島、大陸にいくつかのホテルを持った。高級ホテルである。現在でもハンヨウや大連に建物そのものは残っているそうである。
今日のJRの経営するホテルのDNAにはこういったものが入っている。グレードによってホテルの名前を変えているので分かりにくいが、駅直近なのでまあわかりやすい。
この「グランビィア」は最高位の名称ではないのか。古都京都駅を睥睨する。駅に接しているので建物は平面的一方向の移動が強いられる。下層階は飲食店や、店舗などで占められている。中層階から、上層階が客室となっている。シティビューはもちろん古都を眼下に見渡せる。まあ自己本位な建物である。このホテルによって京都の景観が台無しになった。見ることは、すなわち見られることでもあるといった哲学的な思考を持たなくとも誰でも分かる。まあ誰でも分かっていることを大げさに表現するのが哲学でもあるが。
清潔で、京都を代表するホテルであろう。ただ駅のホテルはそれなりの不便さがともなう。多くの駅は町中に建てられていないのだ。先斗町からは飲んでしまえばタクシーになってしまうのが欠点である。バーからの伏見城の眺望は歴史の重みを感ずる。

ホテルグランビア京都
http://www.granvia-kyoto.co.jp/index.html